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久々に本の話

前に映画の「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ」のことを書いたけど、あれからどうしても原作が読みたくなって読みました。ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

ホラー的に「怖い」というのとは違う、なんだろうな、この「ぼっけえ、きょうてえ」以外に全部で4つの短編が収められているんだけど、全部ねぇ、う〜ん、匂う。死人の匂いっていうのは嗅いだ事がないのでわからないけど、食べ物の腐った匂いかなぁ。どれも岡山のものすごい貧乏な地帯の話。岡山弁のわかり難さが不思議感を助長してる。どれもこれも臭くてひもじくて痛い。しかし何故か不幸感(悲壮感)はあまりない、あまりに辛過ぎて感覚がなくなってるのかもしれない。

ぼっけえ、きょうてえの他に密告函という短編がある。コレラが蔓延した村の役場に患者と疑わしい者の名前を投函する為設けられた密告函をめぐる話だ。
一見極普通に、それなりに幸せな家庭を持つ小役人の主人公、 彼が密告された者の家を調べてまわることとなった。

*****
今日帰る我が家こそが密告函なのだ。悪意、不安、怨念、憎悪、恐怖・・・それらを匿名のまま鍵付きの箱に密閉する暗い場所。密告者は素知らぬ顔で、密告の相手に優しい言葉さえかけるのだ。美味しいよと、優しげに毒を食らわすのだ。
*****

毎日食事に少量のヒ素を混入していた、って事件が以前あったけど、奥さんはあくまで優しく微笑みながら旦那に食事を出していたのだろう。この主人公も今日晩ご飯に出て来る魚が毒入りである事を知ってしまった。が、「知ってるぞ」なんて言えない状況なのだ。

ささやかな幸せは一瞬にして吹き飛ぶ。

そっちに行っちゃいけないとわかっているのに、どうしてもそっちに向かってしまう事がある。ジレンマを起こすわけではない、行きたくてしかたなくなってしまうのだから。

日本の話は怖い。歌も怖い。
かごめかごめ、鶴と亀が(幸せの象徴?)滑った時、後ろにいるのはどんな不幸なんだろう。
お札を納めに天神様に行くだけなのに、行きは良いけど帰りは怖い。怖いけど通させない様にする、ってどんな状況なんだろう。
浦島太郎はどうして体内時間が狂ってしまったのだろう。
かぐや姫は本当に月から来て帰って行ったのだろうか、実はさらわれて行ったんじゃないだろうか。

ホラーとは違う得体の知れない不安感をそそるものばかりだよ。あわやひえだけでちゃんと成人できるのか、という栄養学的にも現代人には理解できないが。岡山の北はそんなに貧しいのか。

まぁね、元来日本の女はコワいんだよ〜〜〜〜〜〜〜。
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by overrising | 2009-09-03 12:10 | 戯言 | Trackback | Comments(0)