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音楽中心に


by overrising

クストリッツァのマラドーナ

映画観てきました〜。タイトルは「マラドーナ」。個人の映画だから伝記物みたいに思えるけど、そこはそれ、監督がクストリッツァ、彼の映画になっていました。
クストリッツァのマラドーナ_b0036733_139388.jpg

マラドーナの半生のいろんな面、いろんな時代を順番に追うでもなく、統計だてることもなく、ただそのままどひゃ〜っと提示する。見た側にどう思うか、どう感じるか、それだけ。

驚いたのはエミール・クストリッツァ監督がマラドーナと一緒にサッカーするシーン(無論本当の試合ではなく遊びだけど)。めちゃうまいんですよ、監督が。 凄い、流石ユーゴ人だ、一緒にサッカーで遊ぶ事によって友情が深まるんだろうなぁ。このへん「サッカーは世界の共通語」というのが感じられて微笑ましい。

その一方で「サッカーは代理戦争」という面も持って居る。マラドーナは例のイングランドに勝利した試合を「イギリスに対する報復」としている。アルゼンチン人のイギリス人に対する恨みは根深いものがあるのだろう。監督の国もしかり、世界は全然平和じゃない。日本だって(今、日本人はぼけ〜〜っとしたままだけど)危ない動きがいっぱいあるじゃないですか。カストロ将軍との対面シーン、反ブッシュ抗議活動など政治的な話も勿論たくさん出てくる中、壊れたベオグラード(サラエボだったかも?)の建物を見てマラドーナがクストリッツァに「これをした(攻撃した)のは誰?」と聞くシーンが印象深い。クストリッツァの答えが秀逸。本当に説明すれば長くなる事なのはわかっていてもついやってしまいがちで、「あ〜、クストリッツァって頭いいなぁ」と思った。

全編を彩る音楽が素晴らしいのも特筆に値します。ただ100人見て全員面白いと思う映画じゃない。私はマラドーナも、エミール・クストリッツァも、どっちも好きなのでとても面白かったけど、どっちも好きじゃない人にはめちゃくちゃ意味不明な映画じゃないかな、 まぁどっちも興味なければ見ないだろうからそんな心配はいらないかな。
by overrising | 2010-01-21 13:36 | 映画