人気ブログランキング | 話題のタグを見る

音古痴新 overrising.exblog.jp

音楽中心に


by overrising

Jon Anderson / Survival And Other Stories

Jon Anderson  /  Survival And Other Stories_b0036733_10422386.jpg
初めに断っておくけど長いよ、きっと。おまけにCDの内容よりも自分語りになりそうな予感・・・

私が小学生の頃から多分4,5年の間、世の中は所謂プログレブームなるものが(それなりに)席巻してたのだ。私はまだ子供だったし、今の様に最新情報を仕入れる程のノウハウもなかったし、ちょっとずつ後から後からいろんなものを知る様になって、まぁいろいろあって、多分YESに行き着いたのは中学2年位だったと思う。

私にとって当時プログレの中心はYESとELPだった。ELPに関しては以前DVDが出たとき何か書いたと思うけど、YESに関しては封印していた。私は一時期本当にYESが大好きだったのだ。どれくらい大好きだったかというと、人生今までファンレターを書いた人は二人だけなのだが、その一人がJon Andersonなのだ。しかも2回も書いているのだ。2回ともお返事を頂いているので、Jon Andersonも筆まめな人なのだろう。中学生だった私は習ったばかりの英語を駆使して<?>「私は日本の14歳の女の子です」みたいな自己紹介を書いていたと思う。そう、ファンレターなんてやっぱり14,5歳が書くから多少英語が変でもなんとなく「相手もきっと微笑ましく思ってくれるだろう」と勝手に都合の良い解釈のもとおかしな英語でも堂々と好きなことを書いていたので、結局高校生以降は書く事は無くなったのだ。

とにかくあの声が好きだった。ものすご〜く好きだった。毎日毎日聞いていたもの。だけどついに嫌いになる時が来た。リレイヤーだ。それまで全部好きだったのに、リレイヤーというアルバムがとにかく大嫌いだったのだ。どうしても許せない位大嫌いで(理由はない、とにかく全曲嫌いな曲なんだから仕方がない)、その後Going For The One、トマトと、一応聞いたものの全く許すことが出来ない位嫌いで、こうなると今まで好きだった分余計に憎しみが上乗せされて本気で大大大嫌いになっていったのだった。未だによくCM等に使われている"Owner of a Lonely Heart"とかもう身の毛がよだつ程大嫌いで、こうなるともう理性でどうこうではないのですね。私が大好きだったClose to the EdgeやFragileやTales from Topographic Oceans(当時あまり評判よくなかったけど私は好きでした)は一体なんだったのだ?? ふざけんな、元に戻れっ!! みたいな感じだったかなぁ。もう半分忘れてるけど。

で、その後風の噂に聞くYESというと、誰がやめたとか出戻ったとか、ついに8人になったとか分裂したとか、はてはJon Andersonがやめたとか、まぁろくでもない話ばかり耳にして、自分がYESファンであったことはもう暗黒歴史というか、恥ずかし過ぎて言わないぞ、な状態がず〜〜〜っと続いていたのだ(一方でELPはファンだったことを恥ずかしいと思ってはいないぞ)。

私の中でYESはないものとして処理されていた、そんなある日。偶然Jon Anderson & Rick Wakemanの共演の曲を聴いた。昔昔好きだったあの声が聴こえて来て、不覚にもちょっと涙ぐんだ。それは大人(おばさんとも言える)になった私と、大人過ぎる大人になったJon Anderson & Rick Wakemanが共鳴したように「あぁ、わかる」と思えるものだったのだ。
それからJon Andersonがソロをいっぱい出してることを知り(「七つの詩」くらいまでは聞いていたけどそれ以降は聞いたことがなかった)いくつか聞いてみた。このSurvival And Other Storiesは最新作。一昨年出たもの。

まだまだ欲にまみれ迷いまくっている私だけど、そういえば昔からインド哲学の話ばかりしていろんなことを達観してるようなJon Andersonの声は、あの「14歳の日本の女の子であなたのファンです」みたいな文をなんの迷いもなく平然と書いていた時代を思い起こさせる。今でもロンリーハートが聞こえてくると腹はたつんだけど、でもやっぱり彼の声が好きだ。リレイヤー以降のYESをなかったことにしてソロなんだ、きっとずっと、と思って聴いている。私ももう少し歳とったらもっとこういう「嫌いすぎる〜」な気持ちを抑えることができるようになるだろうか。そしたらもっと安らかな気持ちでこの曲が聴ける様になるだろうか。
by overrising | 2012-03-21 12:05 | music : UK/US