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音古痴新 overrising.exblog.jp

音楽中心に


by overrising

manic street preachers / the holy bible 10th anniversary edition

それにしても今年去年は怒濤のように「昔のアルバムの焼き直し」みたいなのが出た。まだ書いてないけどNine inch nailsの"the downward spiral"(これも10th anniversaryだ)なんて2種類も出しおって! チョット変えて映像付き、なしを出されるなら、マニックスのようにCD2枚+DVD1枚でド〜ンと出した方が潔いよぉ>トレント様。それにしても10年前と言うのはある意味エポックメイキングな年だったのかもしれない(あ、V6も今年10周年だっ!)。
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そうは言っても結局ある種の再発、よほど思い入れがなければ話題になる程の事はないだろう。でもマニックスの場合はやっぱりいろいろあった年だと改めて思う。

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改めて聞き返すと実はあんまり良く聞いてなかったなぁ、と思う。当時は毎年のように来日していて、なんかライブ中心に見ていたバンドだった。「ドヘタ」バンドの代表格だったマニックスだが、そろそろジェームスを中心に「おや、ちゃんと演奏してるじゃん」な状態になりつつあって、そんな中「やっぱりリッチーは・・・」なリッチーに微笑ましさすら感じていたんだけどな。本人が抱えていたプレッシャーはこちらの想像を遥かに超えていたのかもしれない。「ヘタで悪いか!」と言うにはバンドはあまりにも音楽的に大きく成長していたし。そんな中もがいていたのかもなぁ、と今になっては勿論ただの想像でしかないけど。

CD1は通常のthe holy bibleにライブのオマケ4曲。CD2はUS mix、デモとラジオセッション、御丁寧にUS mixは全曲焼き直し。思い入れたっぷりだなぁ。そしてDVD。私ごとだけど、この時のグラストンベリーを見に行っていたんだ。確かマニックスはNMEステージのトリ前で(トリはビョークだったと思う)、マニックスの3つ前のバンドくらいからちゃくちゃくと最前を狙っていた私は首尾よく丁度リッチーとジェームスの間くらいの最前で見ていた(実はいつもニッキーの前を狙っているんだけどその割にはなんだかリッチーサイドに行ってしまうのよね)。隣のイギリス人の男の子がずっと手を上げていて、その腕で耳が塞がれてとても聞きずらかった事だけが思い出される。あれがリッチーを見る最後になるとは勿論全く思ってもいなかった。当然のようにどうせすぐまた日本でも見れるのだろう、と信じて疑わなかったなぁ。本当にこの世は儚い。

あの時いろいろな噂が流れ、今も真相は闇の中だけど、私はやっぱりリッチーは音楽的に自分が他の人の足を引っ張っている事に悩んでいたんだと思う。このアルバムを聞き返すと増々そう思う。その事をただ可哀想、とは思わない。ただ今となっては懐かしく思い出すだけだ。この先もずっと彼の事を引きずって活動しなければならない残されたメンバーの方がずっとしんどいだろう。

とは言えこの総決算できっと彼等ももっと前向きに活動できるようになるに違いない。久々のライブももうすぐだ。願わくばもうちょっとニッキーのバックボーカルがマトモに歌えるようになっているといいな(さもなければ歌わない方がいいんだけどな)。まぁファンが誰も「物凄くうまいバンドである」事は期待していないんだし、演奏そのものなんてそこそこでいいんだから。マニックスの意義はそんな所にはないんだし。またいつもの良い曲を、いつも通りマジメで誠意ある演奏をしてくれればいいんだからさ。良い曲は結局何年経っても色褪せない、それはこのアルバムも証明してる、っていうかそれがこのアルバムの意義なんだろうけど。
by overrising | 2005-01-03 22:37 | music : UK/US