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音古痴新 overrising.exblog.jp

音楽中心に


by overrising

king crimson / 2nd,3rd

以前このアルバムを紹介した時、「2nd,3rdの扱いが悪い」と書いた。というわけで今度はこれを紹介。
king crimson / 2nd,3rd_b0036733_2314810.jpg

あのbox set(the 21st century guide to king crimson volume one 1969-74)は多分この2枚を入れてこそ完璧になる。というのも一体何が気に入らないのかLizardからの曲は殆ど入っていないし、in the wake of poseidonに至っては肝心の表題曲がボーカルなし、というトボケた内容で、なんだか妙にバカにされたような印象を持ってしまうのだ。

ここに出したジャケは30周年記念アルバムで24bit remasterd という(多分)素晴らしい音質のHDCDだ。まぁ音の善し悪しはあんまりよくわかんないけど(というか、多分私の聞いているCDでは最良の効果を得られないはず)、それでもとても30年前の音には思えないクリアで明解な音である。この2枚の良さというのは、ピート・シンフィールドの叙情と、ロバート・フリップのフリー・ジャズ的なある種ラフな感じの音楽との幸せな結合にあると言える。そこに花を添えるのが2ndではあくまでも暗く被害妄想バリバリのグレッグ・レイクの湿った声であり、3rdでは本家YESよりもっとその綺麗なハイトーンボイスを引き出す事に成功しているジョン・アンダーソンの歌声なのだ。このへんは本当にプログレというジャンルにこだわって聞かない人がいるとすればもったいない話だと思う。

これ以降の彼等は(それはそれでまた良いのだけど)無機質な、あくまで「音楽だけ」にこだわった音造りになっているように思う。やはりこの生々しさはピート・シンフィールドのせいだったのかなぁ。是非全音楽ファンに聞いてもらいたいbest of bestな2枚としてここに水洗するのでありますトイレ。
by overrising | 2005-04-19 23:16 | music : UK/US