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音古痴新 overrising.exblog.jp

音楽中心に


by overrising

で、夜はクストリッツァ・ナイト。

「SUPER 8」「黒猫・白猫」「ライフ・イズ・ミラクル」の3本立て。

最初にトーク・ショーがあってノー・スモーキング・オーケストラの名前の由来<?>とか、同じ名前のバンド(元のバンドというか)がまだあるとか、そういう話は面白かった。ご存知のようにユーゴ情勢は凄まじい勢いで変化している。戦争というと日本じゃ他人事だけど、ユーゴ紛争は内部からの崩壊というよりもむしろ他国があれこれ口出したとばっちりな面が大きいから、日本だってこのままアメリカや中国に言われ放題のままだとそのうち危ない、みたいな話も出てそのへんはとても共感。まぁでもだんだん日本の平和ボケも危機感持つ人が増えつつある中、みんな問題意識を持ちだしたようにも思えるけどね。

映画というのもなかなか見たいと思いつつ見ないことが多いもので、クストリッツァものも見よう見ようと思いつつ全然見てない。ここで一気に3本まとめて見れるのなら、と思って(まぁ辛くなったら歩いて帰れるし)やってきたわけですよ。
で、夜はクストリッツァ・ナイト。_b0036733_20252379.jpg

***SUPER 8***
ノー・スモーキング・オーケストラのツアー・ドキュメント風映画。どこかで「レニングラード・カーボーイっぽい」と読んだ気がしたんだけど全然ちが〜〜う。正直それを聞いて期待していたからちょっとがっかりだった。まぁとにかく「全然違います」。
この映画だけじゃなく全編通じてだけど、ユーゴの人ってこんなに暴力的? なんかイメージ違ったかも…。 ギタリストの父親(クストリッツァ本人)とドラムの息子(これが本当のドラ息子か?)が楽屋で大喧嘩するんだけど本当に暴力的w。 画面から漂うのは汗の匂い+汗の匂い+汗の匂い。フランスやラテン国家で売れてるらしい(フランス人がこういうの好きなのはよくわかる)。英米では売れないだろうな(英語じゃないとダメってのもあるけど)。日本ではどうだろう? 私はたまに聞く程度にはいいけど、やっぱりちょっと民族色強すぎて「いつも聞いていたい音楽」ではないなぁ。 この映画も正直微妙。 多分「悲しい」という感情は世界共通だけど、「面白い」っていう感情は文化的背景によって全然違うんじゃないかな、アメリカの漫才<?というかどうか知らんけど>って例え意味わかっても全然笑えないもん(でも日本には強烈なモンティ・パイソン信者もいるからなぁ。私はあれも部分的にしか笑えないよ)。なんか「現地のみなさんは面白いんだろうけど私はあんまり面白くない」そういう感じがしちゃいました。

***黒猫・白猫***
見たことない、と思っていたら見てました。始まってすぐ「あ、これ前見たじゃん!」と思って。でもどこでいつ見たのか全然記憶にないけど。 これまたとにかく汗臭い。汗だけじゃなくていろんな、まぁ最後の方で肥溜めに落ちるシーンとかもあるけど、全体的になんだか臭い。女も男もやたら逞しい。こういうのを見ると日本で思う力強さにはもう少し知性とか技術(例えば剣の達人みたいな)に裏打ちされた力を考えているけど、ここでは文字通り弱肉強食っていうか、知性なんてどこ吹く風なひたすらパワー、エネルギーで強引に持って行っちゃうみたいな部分が大きくて、いくら憧れていても自分はこんな所じゃ生活できないなぁ、なんて現実的に考えてしまったよ。まぁ舞台は田舎だから都市部に行けば事情も変わるだろうけど。
途中でちょろっと眠くなったけど、まぁ面白かったよ。

***Life Is a Miracle***
映画が始まったのが3時過ぎ。どうしようもなく眠くなったら帰っちゃお、と思っていたら面白くて目が冴えてしまった。
舞台は田舎町だけど主人公はベオグラードからやってきた都会の家族だ、という点で共感できる部分が大きかったのかもしれない。主人公は鉄道技師で、新しく鉄道を敷くために山間部の町にやってきた。妻と息子は都会に帰りたくてぶ〜たれている。そんな中、戦争が始まってしまう。息子は戦場ヘ、もともと精神的にヤバかった妻はますますおかしくなりついに男と駆け落ちしてしまう。
とにかく登場する動物がみんな超〜〜可愛い。人生(ロバ生?)に絶望して自殺を試みる心優しいロバ。あんなロバと一緒に生活したい。自分勝手で食いしん坊なにゃんこはうちの子にそっくりだし、どこまでもおいかけてくるわんわんも本当に良いわんこだ。
映画にあんまり細かいことを望んじゃいけないんだろうけど、この動物達の食事はどうなっていたんだ?? ロバは主人が亡くなってるはずだし、主人公が長い間家を離れていた時犬ネコに誰かご飯をあげていたのか? みんな平気で出て来るけど。あ、あのネコがあんなにがっついてたのは主人公が餌を与えないからなんだろうか? 動物虐待だっ!! 動物達がみんな腹ぺこじゃないかどうしても気になってしまった。
それにしても男も女もやたら感情的で直情型だ。どうしてそこまで露骨に感情表現できるのか、あれは映画だからなのか、ユーゴの人って本当にみんなあんな感じなのか、知り合いがいるわけではないのでわからん。本当にみんなあ〜ゆ〜人だったらとっても怖い。正直日本人は太刀打ちできないだろう。会社でアメリカ人等は一緒に働いたことあるけど、なんであそこまで自己主張できるのか不思議だったもん。さらにそれ以上って…。 これからますます国際交流が増えることは間違いない。こっそりこそこそ移民計画すら推進しようとしている勢力もあるわけで、私達日本人はこの日本人としてのアイデンティテイを保ちつつ、相手に真っ向から主張していく技を身につけないといけないんだろうなぁ。
   自信ないです。いつもなんで日本の外務省は言われ放題で自己主張できないんだろうと文句垂れてるけど、自分ができるかと言われたらできないです。東京がNYみたいに外人だらけになったら。 正直な話、その頃までには死んでいたいです。は〜。
by overrising | 2008-06-23 12:21 | 映画